日々の些細な絵.
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2016年 9月 .

28日 29日 30日


東雲(しののめ)

繰り返す東雲の空鳥渡り


街角の灯り

宵寒やサンダルの足ペダル踏み


汐留の夜

ビル谷間見上げる頬に秋の風

25日 26日 27日


残暑の浜

残暑かなシャツ脱ぎ捨てて子は駆けり


早まる日暮れ

はや日暮れ裏窓からの秋刀魚の香


鮮やかな色と爽やかな香り

木犀の香り過ぎ行き焼ける空

22日 23日 24日


秋分の夜

長雨や部屋に残り蚊血を譲り


雨上がりの夜道

手を繋ぐうそ寒の宵帰り道


濡れた道

半袖の腕に鳥肌虫の声

19日 20日 21日


雨の水天宮

秋雨や片肩濡らし友と行く


肌寒き雨

降り続く冷たき雨に虫黙り


曇天の一日

物悲し気づくと夏の気配なし

16日 17日 18日


秋のひとコマ

秋蝉や命燃やして鳴きにけり


日暮れの陰影

陰と陽互いは絡み秋となり


紀尾井町の洋館

白桃の冷たきデザート背筋伸び

13日 14日 15日


揺れる人影

傘揺れて雨降りやまず長き夜


ネコ達の夕食

猫慕うエサ持つ腕に蚊がとまり


十五夜の夜

名月の影薄くなり街灯り

10日 11日 12日


風抜ける木陰

新涼や遠回りする散歩道


夜風吹く店

泡揺らす夜風のビール労いて


肌寒き宵

信号に急かされ渡る秋の宵

7日 8日 9日


残暑の夕暮れ

老朽化団地に響き法師蝉


雨上がりの夜道

秋の夜傘提げ帰る滲む道


蔦絡まる館

青き蔦歴史を絡め建つ館

4日 5日 6日


酒蔵のある渓谷

奥多摩の渓谷渡る風涼し


目覚める街

朝の道転がる蝉の黒き影


木陰のベンチ

日射し避け逃げ込む木陰席は無し

1日 2日 3日


街の日暮れ

虫鳴かず都会の隙間陽は隠れ


出走前の熱気

秋暑し鼻息荒く競走馬


家路急ぐ路

鈴虫の棲家横切る家路かな
 


+2016年 9月 .                                              .